過去に、絵画技法といえば、「フレスコ画」か「テンペラ画」を指す時代(油絵具発明以前)がありました。
多くのマエストロたちが競って教会の壁を飾り、人々の目を魅きつけたのはフレスコ画の力強い表現と鮮やかな色彩でした。
『フレスコ画』とは、壁に直接絵を描く技法のひとつで、生乾きの壁に顔料を水で溶いて絵を描き、壁の乾燥によって定着されるものです。
「フレスコ画:fresco」は、イタリア語の「新鮮な、生気のある:fresco」という形容詞に由来するもので、テンペラの発色に比べて鮮やかなことからこう呼ばれるようになったといわれます。
絵具における糊の役割を果たす展色材(ビヒクル)が水以外に無く、壁が乾燥する課程で顔料が壁(支持体)に閉じ込められ定着します。
今日では、本来の漆喰壁だけで無くセメントやその他の素材に描かれたり、建築物の壁ではなく、持ち運びできるような枠付きのミニ壁を支持体にして描かれることも多くなっています。

■フレスコ画の特長
①顔料の定着に糊がない…………化学反応により定着
②顔料自体の明るく強い発色……乾いた色で乾燥する
③耐久性が抜群である……………定着に糊を必要としない
*絵具の伸びをよくし、濃度を調節する…………水のみ
*絵具に透明性を与える…………水のみ
*表面の彩色層を剥がし、タブローにできる……ストラッポ



フレスコ画の種類
『フレスコ画』にも描き方によって3種類あります

①フレスコ(湿式画法・ブオン・フレスコ Buon fresco)
通常フレスコ画と呼ばれているもので、未乾燥の石灰モルタル壁(ストゥッコ)に顔料を水のみで溶いて描く技法を指します。

②フレスコ・ア・セッコ(乾式画法・ア・セッコ)
乾燥した石灰モルタル壁を水で濡らしておき、顔料に石灰やカゼイン等のバインダーとなるものを加えて水で溶き描く技法です。石灰などが糊の役割を果たして接着します。

③メッゾ・フレスコ
①のフレスコ技法で描いた後、②のア・セッコ技法で加筆する技法をいいます。漆喰の乾燥する間に描き切れなかった細部描写や、修正の為に行われます。長い年月の間では、加筆されたこの部分の堅牢性は劣り、下のフレスコ画のみが残ることもあります。


フレスコの歴史  □フレスコの下地作り  □フレスコの描画
フレスコ画用顔料   □フレスコ下地壁の化学変化



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