キャンバス(CANVAS=カンバストモ)は、麻、綿などでつくる画布のことです。
亜麻の繊維で作られるキャンバスがもっともポピュラーで、4000年来知られている麻布のうち亜麻布はエジプト絵画において既に支持体として使われていたといいます。
ヨーロッパの作品ではルネッサンス期のボティッチェリ頃から使われるようになったようです。
現在では、キャンバスメーカーにより白色地塗りまで施された既成製品が市場にあり、作家自らが独自の支持体を調製することは少なくなりました。
支持体の性格が最終的な作品の見栄えまで影響を与えるということ考えると、キャンバスの選択も重要なポイントになります。

キャンバスの目  
荒目 中目

■キャンバス(木枠張り)の構造
キャンバスの構造を機能的に分解すると、まず画面の形・大きさを決定し剛性を与えるための部分と、画面の下地となる布の部分、そして絵具の発色を補助する下塗りの3部に分けられます。
一般的にキャンバスの形を決め剛性を与える部分には「木枠」が使われます。木枠には杉などの丈夫で狂いのきにくい材料が使われます。
また、布の部分の材料としては各種の麻や綿布、化繊などが使われます。次の表1に主な材料と性質を示します。

■キャンバスの材料
繊維名
性 質
産 地
備考
亜 麻
天然繊維の中で最高の強さをもつ。伸び縮みが少なく腰が強い。節目のような部分があり、繊維の絡みや塗料の着きをよくするのに役立つ。
ベルギー
北フランス
アイルランド
ロシア等
生キャンでテンペラ等、油性で油絵用
アクリル樹脂でアクリル絵具用
木 綿
伸び縮みが大きく、柔軟性、耐久性に欠ける。キャラコやコットンは麻に次いで優れた支持体となる。麻布に比べて安価。
アメリカ
中国 
ソビエト等
水彩画用、アクリル画用
ビニロン
ナイロン
強度は極めて強いが、平滑な織りになるアクリル樹脂系の地塗りがされることが多い。黴、バクテリア、昆虫による害に対し強い。
国産
水彩画用、アクリル画用、日本画用
ガラス繊維
最も強い強度をもつ。伸び縮がほとんどなく、絵具層を安定に保護する。
日本
ユニチカグラバーズで開発されたガラス繊維のキャンバスで、きわめて強度が強い。


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